手編みのマフラーと神戸のおばちゃん

めぐみ@離島

2006年10月12日 06:57



沖永良部の人が優しい、優しいと書いていると、
まるで神戸で優しさに出会ったことがない人みたいなので、

神戸で出会った優しさを、ワンエピソード書いてみました。

おばちゃんというのはどうかなー?と思ったんだけど、
ご本人がおばちゃんと言っていたので、ここはおばちゃんで。

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私が高校の頃、手編みのマフラーを作るのが流行って、

私も手編みのマフラーを作って、
当時の彼氏にあげようと
バイトに行くまでの目的駅への電車内20分を、
手編みタイムにしていました。


だけど、
なんせそんなことをしたことがなかったので、
編み方の書いてある本をひざの上に置いて、
不自然に肩を上にあげたフォームで

「見て私!手編みのマフラーを編んでいるのよ!!
手編みのマフラーを編む私って最高ね!!」


と思いつつ、のらりくらりとやっていたんですが、

何回数えても、編みメの数が合わなくなっていたんです。


そしたら、隣りにいた見知らぬおばちゃんが

「ここ、メがとんでるよ」と教えてくれて、

「あ、どうもありがとうございます」といい、

モタモタ~モタモタ~

編み棒がおばちゃんの手に当たったり、
毛糸の玉が袋から落ちたりしながらほどいていると、


「あぁ~~っ!も~見てられない!!」

と、おばちゃんは私の編み棒を取り上げ、


「いい?こう編むの!こうよ!こう!」

なんて手本を見せてくれて

「構えはこう!」なんて言いながら、



「うおーーーーっっ!!!」



とは言ってなかったけど、

まるで言っているかのような猛烈な早さで、
私が2ヶ月もかかった長さを、
10分もかからずに編み上げてしまったんです。

私は声をかけてはいけないような雰囲気にのまれて
口を開けたまま、おばちゃんの華麗な手さばきを眺めてました。


目的地の駅のアナウンスがなった時、

「あの、私、ここで降りないといけないんですが。
・・・・返して

と言うと、

「あ!私もここで降りるんやった!

おばちゃん、
人生の半分は病院のお見舞いでなぁ。

ひまで、ひまで、
そん時ずっと編み物しててん。

そのうちに編み物が特技になってきてなぁ・・・。

お姉ちゃんが編み物しているの見たら、
おばちゃんの出番や!思って。

この色、男の子にあげるんか?

きっと喜んでくれるで。

自分が編んで使ってくれる相手がおるって
幸せなことやで」

って言ってくれました。

お互いお辞儀をすると、
それからもう会うことはなかったです。


出来上がったマフラーは、
当時の彼も喜んでくれて、よくつけてくれてました。

マフラーのできは、
最初はぶにょぶにょで、
真ん中がめちゃくちゃうまくて、後のほうはまぁまぁ


偶然隣に居合わせた、見知らぬ人の奥行きに触れた時間。

それを見るたびに、
くすっと笑いたくなるような、優しい気持ちになれたのでした。


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あなたのちょっといい話も教えてください。
コメントまたはTBで。^^

⇒OL主婦さんのちょっといい話「タクシーの運転手さん」

タクシーの運転手さんかっちょいい!(TT)

⇒ayanさんの「病み上がりに夫からもらったメール」

あやんぱ、かっこいい!

⇒pigさんの「最近じーんと来たこと」

わかります~。私もその風景、好きです~。


⇒レイさんの「やさぐれているから」

野球結果でやさぐれているレイさんの心温まる韓国でのエピソード


⇒JUNさんの「スキンヘッドの外人さん」


⇒桜花さんの「仲間達に支えられて」


⇒OL主婦さん&ミャウぞうちゃんの「ちょっといい話part2 」


⇒JUNさんのちょっといい話「愛犬ジョン」

JUNさんの愛犬ジョン。泣かせます。


⇒ミアさんの「おまわりさん」

こんなおまわりさんもいるんだなぁ~。


⇒チエさんの「ダンナとのこと」

チエさんとダンナさんのエピソードです。ラブラブっす!
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